手相編

手相とは

手相は占いの種類のなかで相術と呼ばれている分類に入ります。相術はモノの形から吉凶を読み解く占いです。特に日本の相術のなかでもっともポピュラーなのが手相です。手相は目に見えるので占いの結果を納得しやすい人が多く人気があるのかもしれません。

手相は先天的、後天的な運勢の両方が観れます。先天的運勢しか観れない占星術や四柱推命と違い、後天運まで観れるのが手相の強みです。後天運まで観れるとはどういうことか。それは手相の線はその人の意識が反映したもので、その時々に経験したことが手相の線に反映されるのです。したがって、ショッキングな出来事や喜び事が起きたときに線が多少変わってきます。その出来事が自分にとって印象が強ければ強いほど線に色濃く反映されます。ですので、例え同じ出来事でも人によって感じかたが変わるように、普通の人なら絶望するような状況でも、それをへっちゃらと感じる人は手相に絶望が写っていないのです。手相を観る上で、その人の性格も加味することが大事です。

手相で何が観れるのか?

手相では先天的な資質と後天的にどういう転機が起こるかが観れます。まず先天的な資質ですが、特に性格面が分かりやすく、その人の大胆さ、自我の強さ、独立・依存の傾向、外交的か内向的か、現実的で実務志向かクリエイティブな感覚派などが分かります。恋愛面では、愛情深さ、恋人への執着度合い、精神的な傷つきやすさなどが観れます。ほかにも海外への縁や、健康・病気の度合いも分かります。次の後天的なことでは、いつ出会いや結婚が起こるか、転職時期、社会的に成功しそうなとき、病気や事故に会いそうな時期、精神的に辛くなりそうな時期などが観れます。

手相の歴史

手相自体の歴史は古く、紀元前のインドが発祥ではないかと言われていますが正確には分かっていません。数千年前に記された、人間の身体とその運命を研究した「サムドリカ」やバラモン教の経典「ヴェーダ」にすでに記述があったため古代インドが有力とされているようです。数千年に渡って研究されてきた歴史があるので、手相はどちらかというと科学的なアプローチなのかもしれません。

一方、キリスト教の聖書にも(旧約聖書のヨブ記37章7節)、手相と思われる記述があります。「神は人の手に印象(サイン)を置き給えり。人にその職分(天分)を知らしめんが為なり」
手相にはなにか神秘的なものを感じる非科学的部分もあり、やはり手には人の運命を司る何らかの証拠が刻まれているのではないかと感じます。

手相は古代インドで研究された後、中国とヨーロッパに伝わっていきます。中国とヨーロッパの手相学は独自の発展を遂げ、それぞれ東洋式手相と西洋式手相と分かれていきます。東洋式手相は易や五行の概念と結びつき、西洋式手相は占星術と組み合わさっていきました。

日本に手相が本格的に伝わったのは江戸時代と言われており、江戸の有名な観相家 水野南北や林文嶺の著書に手相のことが記されています。中国経由で入ってきたため東洋式の手相が盛んに研究されてきましたが、19世紀に入り世界的に有名な手相家キロの影響で西洋式手相が一気に普及していきました。最近では、東洋式の手相はあまり聞かなくなりましたが、どちらも当たる当たらないに限らず非常に面白いです。